コラムの寄稿頂きました!「 ぱちんこは人気機種を設置しただけでは業績向上にはつながらない~運用重視~」
2020.12.03 8:14
コラム今回のコンテンツは寄稿いただいたレポートです。
お馴染み「株式会社遊技産業未来研究所の島田さん」です。
3回目の寄稿、ありがとうございます!
タイトルは下記。注目の北斗無双3にも触れております。
ぱちんこは人気機種を設置しただけでは業績向上にはつながらない ~運用重視~
株式会社遊技産業未来研究所 島田 雄一郎
東京都他大型繁華街を有する地域は飲食店へのまたしての自粛要請
感染拡大が止まらない昨今の状況では致し方ない処置かとは思われるが、忘年会シーズンに突入する昨今としては打撃をうける営業者も多く存在することになりそうだ。
ぱちんこ店への自粛要請が来ることはなさそうだが、感染防止対策は継続を徹底したいところ。
忘年会や飲み会が開催されない代わりにぱちんこ店舗に足を運んでもらいたいものである。
ぱちんこ稼働堅調傾向
そのような中のぱちんこ店であるが、11月は季節の影響もあり楽ではない状況。
しかしながらぱちんこ客数は10月よりも上昇傾向を見せている。
ぱちんこ(P)稼働率は10月比で100.8%。全体は99.6%の中で伸びを見せている。
内訳でみると4円ぱちんこが102.1%と大きく伸ばしている。
スロット稼働率が低下している中での伸びはスロット客を取り込めているのも一つの要因であろう。
現スロットと比較しても出玉の一撃性能が高いぱちんこ。
出玉を好むスロットファンにはうってつけの存在であろう。
また、P戦国乙女6、Pとある魔術の禁書目録といった版権もこれまでスロットを中心に遊技していた層にも受け入れられている感があり、人気機種がぱちんこ稼働を誘引していると思われる。
人気ぱちんこ機種の運用手法
一撃の出玉中毒に陥るプレイヤーが多いP大工の源さん超韋駄天。
増産もあったことで次々と増台を行うホールが増え、どこの店舗に行っても遊技を行うことには困らない状態となった。
これにより増台させすぎた店舗が1円等の低単価部門にて韋駄天を運用するようになってきており、4円稼働も以前ほどの高い数値で推移することはなくなってきてしまった。
人気機種故に増台すべきではあるが、無理して購入し導入を行った店舗がプレイヤーの期待に応える運用が出来ずに、空席を目立たせている傾向が目に付く。
これまでスロットを遊技してきた知識を持ち、目の肥えたプレイヤーがぱちんこを遊技しているだけに、今までのように人気機種を数だけ揃えて設置だけしているような状況では稼働させることは難しい。
導入するだけでなく、上手く運用することが求められるのである。
回せる北斗無双3
ぱちんこ好調の状況下の中で迎える年末。話題機種であるP真・北斗無双 第3章SFJが登場する。
韋駄天の存在があることからも出玉の一撃性がある混合機への期待は高い。
これまでスロットの遊技を続け、現状ぱちんこを中心に遊技している層はこぞってこの話題機種を遊技しにくることが考えられる。
北斗無双3にしても事前に情報を集めて遊技を始めることになるだけに、導入開始直後の運用から気が抜けない。
導入前からスペックの理解は当然のこと、損益分岐となる回転数等も把握しておく必要がある。
初代北斗無双のイメージと遊タイムがついたことにより甘い機種と理解し運用するようでは競合他店と使い方で魅力負けする可能性もある。
最近は特に遊タイム搭載機種を“甘い機種”と決めつけ、導入当初から厳しい運用を行うところが散見される。
スペックと正しい数値の理解が必要だ。
上記図2はP真・北斗無双 第3章と初代である真・北斗無双FMWとの比較。
初代はSTであり、無双3は混合機と全く異なる。
継続率は初代無双を上回る約90%。
初代無双は2,400発当りを搭載していたため、T1Yは当然上回るが、TYは無双3が4,022発、初代無双が4,600発。理論上の継続率の高さが無双3のTYを高くしている。
無双3の基本の出玉設計値は初代無双3と比較して低く99.83%。
初代と比べて辛めの機種と判断してよいだろう。導入当初から十分に回せるスペックである。
弊社の会員様向けサービスのシミュレーションである【G-Labo】にて両機種の粗利シミュレーションを比較したのが図3である。初代無双の甘さが良くわかる。
甘いゆえに人気であり、人気があるからこそ売上も上がる好循環を作り出した。
運用店舗も人気ゆえ我慢をして運用していた。
比較して無双3は回せる設計。
28個交換時でみれば赤字との分岐となるラインが無双3で5.7~5.8回。初代無双では5.3~5.4である。
コンマ3程度違いがあるわけだ。
話題機種であり、長期運用も視野に入れるべき北斗無双3。
導入当初から遊技してくるレベルの高い層を考慮しても回すことは必要であることは理解できるだろう。
導入当初の使い方で他店と差がつかないように運用したいものである。
株式会社遊技産業未来研究所
取締役副社長 島田雄一郎