【で、年末の機械をどうするの?】またまたレポートを寄稿頂きました!遊技産業未来研究所の島田さん

2020.09.29 12:00

コラム

 

 

今回のコンテンツは寄稿いただいたレポートです。

お馴染み「元船井総研」「現 株式会社遊技産業未来研究所の島田さん」です。

2回目の寄稿、ありがとうございます!

 

今回は「年末にかけての市場傾向を考慮し導入機種を考察する」に関する考察ですね。

以下からご確認くださいませ。

 

 

 

イントロダクション「例年とは異なった8月」

 

一旦落ち着きを見せたかと思わせた感染者数だが、7月以降には増加の傾向となり、帰省等も自粛する呼びかけもあり例年とは異なる盆期間となった8月。

順調に回復傾向をみせていたぱちんこ店舗への客足だが、本来上がるはずの客数が感染者拡大の影響もあり例年の8月とは異なる結果をみせた。

 

 

 

表:昨年同月稼働率比較
出典:メディアシステム株式会社エンタープライズ

 

 

表で見るように昨年(2019年)の8月は全体で33.2%であった稼働率が今年(2020年)は26.8%。

6.4%も低下する結果となり、前年比20%程度のダウンとなってしまった。

 

例年であれば“稼げる期間”である8月。

この期間で利益を確保し、9月から年末にかけて落ちていく業績を凌いでいくのが例年であるが、どうにも今年は例年の運用手法が当てはまらない傾向が強い。

 

 

 

遊技産業未来研究所さんとは?

 

リンク:http://www.yugi-mirai.com/

 

 

人気スロット撤去の影響

 

例年と異なる8月を終え、客数低下時期に突入していくが、今年の年末以降は店舗の出費は嵩む傾向にある。

ぱちんこ、スロットの旧規則機種における認定、検定の有効期限について一部の機種を除き1年間の延長となり、業界14団体で構成するパチンコ、パチスロ21世紀会はタイプ毎に新たな撤去期限を定め、新規則機への切り替えを推進していくこととなった。

 

撤去対象機種には人気となる機種が多く、設置の延長は嬉しい誤算ではあったが、撤去を行う時期はこの後やってくる。

店舗への影響が大きいのはスロットの撤去と言わざるを得ないだろう。

 

客数回復も20円スロット部門が最も早く、また稼働率も最も高い部門であった20円スロット。

客数が回復したのは新台が登場したことによってではなく、元来人気の高かった旧規則機種の存在が大きい。

 

 

凱旋と沖ドキの撤去期限が迫っている

 

その中でも特に人気の高い「ミリオンゴッド-神々の凱旋-(ユニバーサルブロス)」(以下、凱旋)、「沖ドキ!、沖ドキ!-30(共にアクロス)」(以下、沖ドキ)の撤去期限が迫っている。

 

スロット部門で人気の中心である両機種だが、20円部門の中心であり、凱旋がコイン単価4円後半、沖ドキは3円後半を有する。

20円部門においてこの3機種の設置比率は8%程度であり、この機種に変わる売上主力機種が登場してこないことには店舗へ与える影響は極めて大きい。

店舗への影響だけではなく業界に与える影響の大きさも懸念しなくてはならないだろう。

 

 

 

スロット中心の営業に陰り

 

果たして現売上主力であるスロット3機種の代わりは登場するのだろうか。

 

過去にも4号機から5号機に変わった際にも壊滅的と言われたスロットも追って回復となったことも記憶に新しい。

同様に今回も時間が経つことで主力となる機種が登場してくるのだろうが、直近においてそんな悠長なことは言ってられないのが本音だろう。

 

現行の6号機で現売上主力3機種の客数を担保できるということは考えづらい。

6号機より設置期間の長い現行5号機、Aタイプが補うことになるのだろうが、ぱちんこ部門に目を向けないわけにはいかないだろう。

 

 

現行ぱちんこはスロットファンも大いに注目していることは言うまでもない。

ベース30の撤廃、現行機種では標準装備となりつつある新解釈基準による時短性能である「遊タイム」の搭載。

ぱちんこ機種の状況は良好だ。

 

 

 

客数に関しても戻りが鈍いと言われていたが、鈍いながらも確実に戻ってきている。

これまでのぱちんこ客層の中心であった年配層の戻りは残念ながら遅いが、ぱちんこの客数回復には比較的若年層と言われる層が存在することを意識する必要がある。

 

営業自粛期間にての登場となり、登場期こそインパクトは薄かったが、現状前作同様人気の高い「PF.戦姫絶唱シンフォギア2」、設置台数こそ少ないが1種2種混合+遊タイム搭載の「PモモキュンソードMC」、約2分の1抽選を4回転以内に引けばRUSH継続、継続率93%を誇る「P大工の源さん超韋駄天YTA」

 

この混合機3機種はスロットファンからも注目されている。

今後しばらくの期間のぱちんこ人気の中心は1種2種混合機であるといっても良いだろう。

 

 

 

2020年を代表とする機種になった「超韋駄天」

 

 

また、それに加えて「CR真北斗無双FWN」「CR真・花の慶次2L10-VH」「海シリーズ」といった各店舗が主力とする機種も存在することからも、スロットの売上主力機種が無くなる後はぱちんこの売上が店舗の中心となってくることが業績向上に向けて考えなくてはならないことと言えるであろう。

 

 

 

ぱちんこメイン機種の育成

 

現在ぱちんこの人気は1種2種の混合機に移ってはきているが、店舗のメインとなっている比較的台数を抱えている機種はCR機である。

やはり今後を見据えていく上ではP機である1種2種混合機のメイン機種の台数を抱えメイン機種として育てて行くことを考慮すべきであろう。

 

メイン機種とは店舗内の主力を担う存在であり、ワンボックス程度の設置を目指したい機種。

年末までの登場機種から考えると、現設置機種の撤去の絡みからも“海物語”に目が行く。

もちろん極めて重要な部門だけにおろそかには出来ないが、時期とタイミングを考えるとそこに食指は動かない。

 

考えるべきはメイン遊技機を失ったスロットファンの獲得

海物語の導入で狙う高年齢層の獲得ではない

 

改めて登場機種から考えると当然のように浮かび上がるのが「北斗無双3」。

初代北斗無双が残る中での共存は難しいと考えそうだが、スペックを見ると注目せざるを得えない。

「1種2種混合機」+「遊タイム」そしてミドルスペックである。

このスペックが注目なのは前述通りだが、想定MYは約19,000発。

これは初代北斗無双と同等である。

 

 

 

P北斗無双3プロモ動画について

 

 

949回転で訪れる遊タイムは混合機ならではの恩恵があるが、これが搭載されたことで甘すぎるという懸念は早計。

弊社のぱちんこシミュレーションソフトである「G-ラボ」にて分岐スタートを計算すると初代北斗無双よりも高い

想定の玉単価も初代無双より高い想定である。

 

遊タイムが搭載されたことで甘くなるということではなく、目標とする回転数があるがために“追っかけて”くるプレイヤーが存在することで甘いだけの機械ではない。

 

1種2種混合機で実質90%の高継続RUSHを搭載かつ遊タイム搭載。

スロットファンも当然注目するスペックであることは間違いがない。

主力機種となり得る「北斗」コンテンツだけに、導入台数も慎重に考えたいものだ。当然、増台の判断についてでもある。

 

話題機種だけを導入するだけでは業績が上がらないのは最早当たり前。

導入後の運用手法を事前にシミュレーションしておくことの他、市場環境から考え、どういった客層を掴むべきなのかを考えて新機種導入を検討すべきである。

 

 

PMJではコラムの寄稿や新サービスの告知なども柔軟に対応しております!

ぜひお声がけくださいね!

 

 

LINE@

TWITTER

Facebook

RANKING

PICK UP

SOCIAL