【遊技産業未来研究所の島田氏よりコラム寄稿】ぱちんこ新台の運用手法こそ業界活性のカギとなる

2023.02.02 9:23

コラム

今回のコンテンツはコラム寄稿について。

いつもお世話になっております、「遊技産業未来研究所の島田さん」からのレポートになります。

タイトルは「ぱちんこ新台の運用手法こそ業界活性のカギとなる」ですね。

ぜひ御覧ください。

 

 

市場活性にはぱちんこ客数向上が必須

 

2022年は久しぶりにスロットが活性する年となった。

出玉性能も劣り、ヒット機種不足状態のスロット6号機時代では、出玉を求めるようなプレイヤーはこぞってぱちんこに主戦場を変化させていた。

不遇のスロット状態のなか、7月に6.5号機が登場。パチスロ甲鉄城のカバネリ(サミー)、パチスロ犬夜叉(クロスアルファ)、パチスロ アクエリオン ALL STARS(SANKYO)これら3機種が登場したときから、一時、スロットから手を引いていたプレイヤーが一気に戻った。

その後にもパチスロ 新鬼武者2(エンターライズ)、パチスロ バイオハザード RE:2(アデリオン)と矢継ぎ早に6.5号機のヒット機種が登場し、スロット人気を固定化させていく。

11月末にはいよいよスマスロの登場。パチスロ 革命機ヴァルヴレイヴ(SANKYO)、Lバキ 強くなりたくば喰らえ!!!(オリンピア)が先陣を切って登場し、高稼働を実現。AT高純増による出玉性能は各地で「コンプリート機能」を発動させ、SNS等で話題となり、我こそはと狙うプレイヤーでスロット市場はさらに活性。

12月に入り、HEY!エリートサラリーマン鏡(パオン・ティービー) が登場。先に登場したスマスロ人気機種よりは若干マイルドな性能ながら、高稼働を実現。いまなお継続中である。

6.5号機以降の連続したヒット機種の登場はスロット人気の復活を感じさせ、業界復活の期待を感じずにはいられない。

しかしながら・・・である。思ったほどに市場全体の客数は増加していない。

 

 

 

弊社が継続して調べている、人口に対してどの程度ぱちんこ、及びスロットのプレイヤーが存在しているかを示す数値であるが、2022年の11月から12月にかけてはスロットプレイヤーが107.7%になったことで、全体客数は103%となった。

コロナ下において11月から12月にかけての伸び率が低調であった中で、この伸びは目を見張るものがあるのは確かではあるが、コロナ前の11月から12月にかけての伸び率を考えると低調であるのは事実。

スロット人気による市場活性はあったが、全体の伸びとしては今一つと言わざるを得ない。

市場全体の活性には、スロットの伸びと同様に、ぱちんこ客数が増加しないとならないのである。

 

 

ぱちんこ高粗利体質の限界

ぱちんこ人気の潮目が変わったタイミングは2020年。それ以前の継続率65%撤廃の内規変更はヒット機種の登場を予感させていたが、2020年4月に登場したP大工の源さん超韋天YTAのヒットにて連荘による最大出玉獲得の遊技が戻ってきた。以降各スペックにてのヒット機種が続いて登場し、新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~(ビスティ)、P Re:ゼロから始まる異世界生活 鬼がかりVer(大都技研)、PF 機動戦士ガンダムユニコーン(SANKYO)の3強ぱちんこ時代に突入し、6.5号機登場までぱちんこ中心タイミングとなった。

これら人気のぱちんこ機種は、その出玉性能故に店舗の粗利が一定しないという問題がある。

機種毎で管理する体質の多いぱちんこ店舗においては、少台数設置の店舗よりも多台数設置の店舗の方が、管理も有利であり、1台の暴発が他複数台でカバーできる。また、少台数設置の店舗では暴発を恐れ、また、その暴発にての利益をリカバリーするために、高粗利運用を継続せざる状況がある。いつ暴発するかという不安は継続した高粗利運用を恒常化させることにつながった。

また、スロットにての粗利確保が極めて困難な時期が続いただけに、ぱちんこからの利益は店舗を継続させるためにも必要であり、ぱちんこ高粗利時代は当たり前となっていく。ぱちんこ平均玉粗利30銭時代の突入さえも現実化している。

 

利益の確保は当然行はなくてはならないが、利益の原資は売上であり、稼働。利益追求の運用は稼動を減少させ、売上を減らし、結局利益が確保できなくなることは言うまでもない。

 

人気機種が出れば客数が戻るだろうという他力本願な考え方は無くすべきだ。

 

 

新台の運用手法を早く見直す

高粗利運用の際たるものが新台。 利益を確保しても稼働が残る機種こそ良い機種だという考えは捨てなくてはいけない。 改めて新台の稼働率推移をみてみたい。

 

 

 

2022年暮れに登場した新機種。

導入週で稼働率50%を超える機種は半分しかない。

導入週から3週目にかけての稼働率推移は60.6%になる。

相変わらず新台から離れるプレイヤーの多さに気付く。

 

いまでも新台に期待するプレイヤーは存在し、導入週の稼働はそういったプレイヤーに支えられている。新台で利益を確保しすぎることで、プレイヤーの期待に反し、ファンを減少させているのである。

機械購入費の回収を焦るばかりに、導入週から無理な運用を行ったり、導入初日で運用を失敗し、その後は粗利確保の運用だけの店舗もある。新台の運用手法が変化しないと、ぱちんこ客数の増加はない。

ぱちんこ客数が増加しないと業界活性もみえてこない。これは業界全体のことだけでなく、自店にあてはまる場合も多いはずである。

 

正月明けのビッグタイトルとして登場してきたP牙狼GOLD IMPACT、P真・花の慶次3 黄金一閃。比較的甘く動いている牙狼が慶次を上回る。慶次はスペック変更のため目新しさはないが、やはり甘く動いている新台にプレイヤーは反応している。

 

2月ぱちんこのビッグタイトル、P大海物語5 MTE2(三洋物産)、P真北斗無双4GFPHが登場する。海を大事に運用するというのは業界特性であり、差はつきにくいが、P真北斗無双は長期運用を考えて、育成してみることは他店との差になるかもしれない。

 

4月にはスマスロの北斗の拳AD XRの登場が控えており、業界話題は北斗が中心となっている。P真北斗無双4で先にプレイヤーにアピールしておくことも効果がありそうだ。

 

ぱちんこ新台の運用方法の見直しで自店の業績向上を目指す2023にして欲しい。

 

 

 

 

 

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